今回の学習指導要領の改訂で「主体的・対話的で深い学び」を目指して授業改善を行うことになっています。 ここ数年はUDL(学びのユニバーサルデザイン)のフレームワークを利用した実践に取り組んできました。その過程で、学びのユニバーサルデザインは「主体的・対話的で深い学び」にあっていると実感しました。
これまでいくつかの授業実践の報告をみてきましたが、どれもが「どう指導するか」という教員側がどうするべきかというものが多く、本質を理解せずに真似しようとすると全然うまくいかないと感じていました。しかし、学びのユニバーサルデザインは「どう学ぶのか」という学習者が主役の考え方で、その部分に強く興味を持ちました。
研究会や他校の校内研究会に参加しながら、学び続けました。実践をはじめてから2~3年経つと生徒が大きく変容していることが分かるようになりました。しかし、他人から見たら、どう変容しているのか分かりづらく、難しいのが教育実践の難しいところです。しかし、業者が実施する学習診断テストでも学力が上がっていることが数値的にも確認がとれました。学力学習状況調査からも県の平均値を5ポイント近く上回ることになりました。また、生徒たちの様子から、主体的に活動できるようになり、成長していることも感じられました。そこで、学びのユニバーサルデザインが広まってほしいという思いで、これまでの実践をまとめてみます。
学びのユニバーサルデザインとは?
UDL(学びのユニバーサルデザイン)がどんなものなのか最初のころは分かりづらいと誰もが感じます。調べてみると、アメリカの CASTという団体が考えたものだと分かります。アメリカ発祥のものだから、日本と文化が違うのだから、きっとうまく行かないだろうと半信半疑になります。しっかりと学べば学ぶほど、学びのユニバーサルデザインが素敵だなと感じました。頑張って実際に実践を続けてみたら、うまくいきました。まずは先生たちが変わり始め、その後、生徒たちが変化し始めます。
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UDL(学びのユニバーサルデザイン)に興味が出てきて調べようと思っても、実際のところ、資料が不足しています。日本でUDLについて調べようとすると、「授業のUD」が検索され、違いが分かりづらく、自分自身も「なんか違うという感じ」になりました。以前の頃の「授業のUD」は簡単に言うと、指導方法に関するものが主体で「主役が先生か、生徒なのか」の違いというのが当時の印象でした。でも、最近では「授業のUD」がUDL(学びのユニバーサルデザイン)に近づきそうな感じもあります。だから、「授業のUD」についても学んでみようと考えています。
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これでなくてはならないというのは、何に関しても良くないので「いいものはいい」という感じでいきたいですね。
カリキュラムに障害がある
こどもがおかしいのではなく、カリキュラムに障害がある。
- ゴール:学習指導要領に示されている基準をどう達成するかについて児童生徒が自分にとって意味のあるゴールを設定する。
- 方法・手段:全員が皆同じステップや方略で学習したり課題をしたりする必要はない。
- 教材:同じ目標にたどり着くのに全員が皆同じ教材や足場的支援が必要なわけではない。
- 評価:真実味のある評価は児童生徒それぞれに合わせて行われる。
カリキュラムというと、一般的には「教育課程」と訳されますが、学びのユニバーサルデザインでは上記の4つのことをいいます。問題があるのは「こども」ではなく、「カリキュラム」であるというところに共感しました。こどもはそれぞれ違っていて、多様である。考え方も同様に多様であるというところに学びのユニバーサルデザインの特徴でもあります。
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同じ生徒はいないので、今の指導が、どの生徒に有効なのかは断言できません。だから、生徒が得意な方法で学ぶことができるような環境を整えることが大切です。昨日有効だった方法が今日も有効だとは限りません。学習目標達成のために、あらゆる方法や手段を選びながら、主体的な学習者を育てるのが目標です。
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学び方が多様であることが前提条件なので、目標をイメージしながら、自己調整を行いながら学んでいきます。
UDLガイドラインを読んでみる
学びのユニバーサルデザインをはじめてみようと思うと「UDLガイドライン」を読むことになります。UDLガイドラインを参考にして授業改善について考えます。しかし、ガイドラインが9つもあり、そのすべてを意識しようと負担感が増します。ガイドラインのどこから始めるべき誰もが悩むところです。
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UDLガイドラインに目を通してみて、得意そうなところから始めるべきです。学びのユニバーサルデザインを学ぶのだから、学び方も得意な方法でスタートするべきです。
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UDLガイドラインを読むことで、どのように授業改善を進めたらいいのかヒントになることも多いです。だから、いつでもUDLガイドラインにアクセスできるようにしておくことをオススメします。
UDLを参考にして効果があった授業改善
学習指導要領がかわり、「主体的・対話的で深い学び」を意識して授業改善をすることになりました。UDL(学びのユニバーサルデザイン)は「主体的・対話的で深い学び」にあっています。実際に実践してみて、強く感じました。
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国立大学教育学部附属中学校の研究授業をみると、プリントで学習していることが多く、考える授業をするためのヒントがいくつかあったので、プリント学習に切り替えました。
実際にUDL(学びのユニバーサルデザイン)を3年間実践したら、学習診断テストの偏差値からも効果がありました。全国学力学習状況調査の質問用紙からも効果があったのが確認できました。
現在も実践を行っているので、少しずつ紹介していきます。
UDLを学ぶときに参考になったもの
UDL(学びのユニバーサルデザイン)に関する書籍やサイトが少ないのが現状です。増えていってくれることを期待しています。ちなみに、参考にしたものを紹介してありますので、「おすすめ書籍」をチェックしてみてください。
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