Universal Design for Learning(学びのユニバーサルデザイン)を意識しながら授業改善をしてみようと考えたとき、やるべきことがいっぱいありすぎで、何から始めるべきなのか、どこから始めるべきのか悩みました。これはUDL(学びのユニバーサルデザイン)を始めようとすると、悩むポイントになるようです。実践を進めていく中でどのように進めてきたのかを今回は紹介したいと思います。
UDLをはじめるなら、ガイドラインを読んでみよう!
学びのユニバーサルデザイン のガイドラインはCASTのサイトにあります。こちらからダウンロードできます。
CASTのサイトより https://udlguidelines.cast.org/more/downloads
学びのユニバーサルデザインは、多様な方法を学習者に提供しようというのがベースにあります。「なぜ」学ぶのか、「何を」学ぶのか、「どのように」学ぶのかを「アクセスする」「積み上げる」「自分のものにする」という段階にそれぞれ分けられています。これは学習指導要領とも合致しています。学びのユニバーサルデザインには3つの原則と9つのガイドラインがあります。そのガイドラインの中にそれぞれチェックポイントが提示されています。
最初に、このガイドラインを読んだときは、どういうことだろうと理解するのが難しく感じます。いきなり全部理解するというよりは、自分自身ができそうなところや得意そうな部分から調べていくといいと思います。自分自身は緑色のところがやりやすいなと最初の頃は考えていました。
学びのエキスパートとは?
学びのユニバーサルデザインでめざす姿は「学びのエキスパート」でそれは以下のような学習者になります。
- 目的を持ち、やる気がある
- いろいろな学習リソースや知識を活用できる
- 方略的で、目的にむけて学べる
最初の頃は、「学習リソース」と「方略的」という言葉が難しく感じましたが、みなさんはいかがでしょうか。
学びのエキスパートになれば、どのような教科や学問にも応用でき、新しい学びにも対応できて、生涯学び続けることができると思います。このような「学びのエキスパート」になれるように、授業改善をしていけたらいいと思います。
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こどもの様子を観察するのが授業改善のヒント!
授業中のこどもの様子を観察すると、何が授業のバリア(障害)になっているのか分かるようになりました。学びのユニバーサルデザインでは、こどもにバリア(障害)があるのではなく、カリキュラムにバリア(障害)があるというフレームワークになります。黒板の内容を写すことが実は困難になっていることもあったり、先生がただ話をしているだけで視覚情報がほとんどなく、聴覚情報だけで理解するのが難しかったり、日常のあたりまえの出来事が実はバリアになっていて、そのせいで学習しづらさが発生しているかもしれません。それは人それぞれ違うと思いますし、違うのがあたりまえだと思います。
授業中の様子を観察していると、他の方法があれば、もう少しスムーズに学習できるということに気がつくことができれば、それをオプションにして授業改善していければいいと思います。だから、こどもの様子を観察することが重要なポイントになります。
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ガイドラインのどこから始めるのがいいのか?
ガイドラインの9つすべてをやろうとすると苦しくなります。だから、これまでやってきた自分自身の実践を振り返ってみると、ガイドラインのチェックポイントのどこかに合致しているはずなので、それを探してみるのがいいと思います。
自分自身の実践の場合、苦手な子が学習を続けられるように工夫してきました。それをガイドラインにあてはめてみると、ガイドライン8の「努力やがんばりを続ける」と同じことだと考え、ガイドライン8を中心に授業改善を進めていきました。