学びのユニバーサルデザインを学ぼうとしている人が結構いるみたいで、「どのようにやったらいいのか」と質問されることが増えてきました。ぞこで、自分がどのように感じて、どのように学びを続けてきたのかをまとめておきます。
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校内研究で学びのユニバーサルデザインを学ぶことになった
当時の勤務校は支援級が複雑な環境にあり、荒れていました。当時の校長先生が校長の研修で受けて興味をもった「学びのユニバーサルデザイン」で学校を落ち着かせようと校内研究会で学ぶことになりました。そこで、研究主任になり、はじめて「学びのユニバーサルデザイン」を学ぶことになりました。
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大学の先生が来て、「学びのユニバーサルデザイン」について教えてもらいましたが、「大変なことになった」という印象でしかありませんでした。
当時は、「授業のユニバーサルデザイン」と「学びのユニバーサルデザイン」の違いは全然分からず、ネット上でいろいろと調べて「授業のユニバーサルデザイン」について勉強していました。しかし、当時の授業のユニバーサルデザインはこういう風に授業をするべきだという内容で、あまり好きにはなれませんでした。
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学びのユニバーサルデザインの第一印象
最初の半年間は、やろうという気持ちでしたが、何をしていいのか分からないという状態でした。そして、第一印象はかなり悪かったです。
学びのユニバーサルデザインには、ガイドラインが9つあって、それぞれにチェックポイントが複数個ずつあって、やるべきことが多すぎると感じていました。また、オプションを用意することが強く強調され、そういうところが面倒臭いと感じました。周りにいた年配の先生方はこんなの無理だと大合唱でした。
大学の先生からは「視覚」「聴覚」「運動感覚」を意識して、オプションを用意すると教わっていたので、頭の中は「???」という状態でした。
国立大学の附属中学校での研修がターニングポイントに
学びのユニバーサルデザインを学びはじめて、半年が経った頃に1週間の「県外委託研究」に参加することになりました。大学の先生の推薦で、西日本にある国立大学の教育学部附属中学校に行き、「学びのユニバーサルデザイン」について学ぶことになりました。1週間の研修でしたが、本当に勉強になり、考え方も変わりました。
1週間の研修を終えて、授業改善を行おうと思い、帰りの新幹線の中で、Apple StoreでiPadを購入しました。やらないといけないという気持ちが強かったことを記憶しています。
研修を受けたから、学びのユニバーサルデザインがこういうものだと分かったわけではありません。主役が生徒であることは理解できました。だから、すぐに当時担当していたクラスに研修の話をして、授業改善をしたいと思いを伝えました。「どんな授業だと学力がつくのか」とアンケートをとり、それをUDLガイドラインに当てはめました。
ずっと塾講師のバイトをしていたので、当時の中学校でも授業の評判は良かったと思いますが、数学的な力をつけられているのかは正直疑問でした。アンケートの結果をまとめ、1つずつ改善をしていきました。そうしたら、生徒からの質問の質が変わりました。それが原動力になりました。数学ができない生徒が質問をするようになって、急に面白くなり出しました。
決まった授業モデルはない。それがUDLです!
「何をしたらUDLの授業になりますか」と質問されることが多く、そういうときはいつも「主役が生徒なので、決まった形はありません」と伝えています。そうすると「では、どうするの?」と続けて質問されます。これは決まったパターンになります。そして、学びのエキスパートをめざすことが目標で、自分の得意な方法で学ぶのが「学びのユニバーサルデザイン」と答えます。
そして、そういうやりとりの後に「クラスはぐちゃぐちゃにならないの?」と質問されます。この質問も必ず出てきます。
生徒を信じて託すことができるかどうかがとても重要で、生徒よりも教員が変われることが大切だとに感じています。
UDLを続ける原動力は「成長を実感できるから」
異動して、学びのユニバーサルデザインとは距離を取ることになりましたが、続けた方が自分のためになると思い、自分のペースで学び続けました。そのように思ったのは、生徒に学力がついてきたり、主体性が育ってきたと実感できたからです。
学びのユニバーサルデザインの考え方が定着してくると、生徒が受動的から主体的になりました。「~したらダメですか」から「~したいけど、どうしたらいいですか」という感じで、こちらも初期段階は忙しくなるけど、面白くなり、やりがいも感じられるようになりました。
教員として管理することを重要視していましたが、今では「信じて託す」ということができました。信じているという部分が伝わっているので、生徒指導もしやすくなりました。
今後、どうやって学びのユニバーサルデザインを学ぶのか
校内研究で、学びのユニバーサルデザインを学ぶことはなくなり、個人で学び続けていきたいと考えています。自分のペースで生徒の様子を観察しながら、授業改善をしていきます。規模を大きくするには、生徒よりも周りの先生たちの考え方が変える必要があり、その方が難しいです。
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