学びのユニバーサルデザインを知り、早速始めてみようと思いましたが、本を読んだり、ネットで調べたり、学びのユニバーサルデザインを知るほど、どこから進めていいのか悩みます。ガイドラインが9つもあり、それぞれにチェックポイントも2~3個ついています。その数の多さがバリア(障壁)になる可能性もあります。
でも、始めたばかりの人は必ず、そう感じるようです。今回は実際にどのようにスタートをして、成果が出て、変化を感じられるようになったかを紹介していきます。
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UDLのガイドラインは9つある
学びのユニバーサルデザインのガイドラインは9個もあります。教科特性やこれまでの実践経験から、状況が分からないようなガイドラインもあるはずです。どこから進めるべきか悩むところです。
本来はガイドラインの上(アクセスする)にある1、4、7あたりから始めるのが筋のような感じがしますが、別にそこから始めなくてもいいはずです。学びのユニバーサルデザインを学ぶわけですから、自分の得意なところから読み込んでいくべきです。読んでも意味が分かりづらく感じるところもありました。
全部やろうとしないことが大切である
学びのユニバーサルデザインで授業改善するときに、真面目に9つのガイドラインの全部やろうとすると、厳しいと感じるはずです。
研究会などで「どのガイドラインを進めるべきですか」とよく質問されます。そのときには「緑色」の部分から入るのがやりやすいと薦めます。
詳しくはこちらから
緑色の「取り組みのための多様な方法を提示する」の部分は教員なら誰でも一度は考えたことがあり、実践したことがあると思います。
これまでの実践を振り返り、得意なところからスタートする
教える経験がある人ならば、これまでの実践を振り返れば、これまでの頑張ってきたものと合致するところが必ずあります。そこからスタートするべきだと感じます。
自分は学力が低い生徒にやる気を出させたいと感じていたので、そこからスタートすることにしました。つまり、ガイドライン8「努力や頑張りを続けるためのオプションを提供する」から始めました。逆にガイドラインを読んでみても青色の部分がうまく理解できない時期が続きました。
ガイドライン8から始めました
他にはガイドライン7、9、3、6もあたりを意識して授業改善しました。
- ガイドライン8 努力や頑張りを続けるためのオプションを提供する
- ガイドライン7 興味を持つためのオプションを提供する
- ガイドライン9 自己調整のためのオプションを提供する
- ガイドライン3 理解のためのオプションを提供する
- ガイドライン6 実行機能のためのオプションを提供する
逆にガイドライン1、2、4はどうのように進めていいのか悩みました。
- ガイドライン1 知覚するためのオプションを提供する
- ガイドライン2 言語、数学、記号のためのオプションを提供する
- ガイドライン4 身体動作のオプションを提供する
現在でも、ガイドライン4は全く手をつけていないような状況です。このあたりは、詳しい人に教えてもらいたいですね。
3~4ヶ月経つと雰囲気が変わります
先生の考え方が変わっていくと、それが生徒にも伝染していきます。できれば、授業をどのように進めていくのか、先生と生徒みんなで話し合うと良かったです。先生が本気で学習者が主体の授業に変えていこうとすると、その思いは確実に伝わっていき、少しずつ雰囲気が変わってきて、手応えを感じたのは3~4ヶ月経った頃だと思います。慣れてくると1~2ヶ月で生徒やクラスの状況は変わっていきます。